SATOYASU SHOMURA(庄村聡泰)
福岡県大牟田市出身。元Alexandrosドラマー。2021年のバンド勇退後はライフスタイルの一部であったファッションにも軸足を置き、友人たちとブランド「SNACK NGL」を立ち上げる。元々の生業だった音楽にもライター、ポッドキャストなどで関わり続けるパラレルワーカー。好奇心が人一倍強く、その好奇心で得る莫大な知識量からアウトプットされる話術は、人を魅了するパワーを持つ。
FEATURE
2022.2.15
「今」の生き方を表現するシンボリックな存在にフォーカスし、その人のワードローブを公開する特集【THE SETTERS】。普段は見ることができないプライベートに迫り、クリエイティブに富んだ世界観や独自の視点からセレクトされたファッションアイテムをメンテナンス方法を交えて紹介する。Vol.2はブランド運営、ライター、スタイリスト、ポッドキャスター等の様々な顔を持つTHE SETTERS、庄村聡泰氏のクローゼットをフィーチャーする。
初見で記憶に刻まれる強烈なインパクトを残すフリースブルゾンは、庄村さんが仲間たちと展開しているライフスタイル提案型ファッションスナック“SNACK NGL”のもの。このフリースはブランド第一号の記念すべきモデルだ。様々なブランドのフリースを継ぎ接ぎにして作られるこのモデルの名前は『TUGI』。SNACK NGLのシグネチャー的存在だ。「ファッションって本来なんでもOKのはずなのに、それがいざ仕事になると色んな力が働いて自由度が極端に狭まってしまう。SNACK NGLの仲間の前職も例に漏れずそうだったので、だからこの際、自分たちがやるなら一回好き勝手にやってみよう!を形にした結果のアイテムです。単純にカッコよく着たいですよね、洋服は」。継ぎ接ぎで作られているアイテムなので同じものは1つとして無い。既製品に飽きている人に俄然オススメのフリースだ。
取材当日の庄村さんはLewis Leathersを着て登場してくれた。この眩いイエローのレザーブルゾンを着こなせる人はそういないだろう。コンディションがかなり良く、スタイルにかなり馴染んでいたのでオーダーかと思いきや、古着で買ったものとのこと。特に思い入れが深い洋服で「庄村聡泰の一張羅を見せてください、と言われたらこのLewis Leathersを出します。サニーイエロー、この色が僕の一番好きな色なんです。特にLewis Leathersのサニーイエローが一番好きで、自分が単独で雑誌の表紙を飾る機会があったときにしらみつぶしに探して買ったものなんです。サニーイエロー好きが高じて自分のドラムセットを全部この色に塗ってもらいました」。この色が好きになった理由を聞くと中学時代にルーツがあった。その話が気になる方はSNACK NGLのポップアップで直接本人に聞いてみるのもいいだろう。
このレザージャケットは庄村さんが主な監修をして形になったSNACK NGLのもの(SNACK NGLの形態は後述するインタビューをご覧ください)。前述したLewis Leathersは合計で10着以上持っているほど、レザーに精通している庄村さんならではのディテールが散りばめられている。「スムースレザーとスエードのコンビなんですが、敢えてスムースの裏にスエードがくるように生地を作ってもらいました。ディアスキンのようなしなやかな着心地はクセになります。リバーシブルなんですが、移染するかもしれませんね。けど、コレでいいと思います。それはそれで味になるし、最初に予め説明すればいいだけの話ですから。大手じゃ絶対真似できないですよね(笑)」。庄村さんのファッション感は思春期に自由に洋服を楽しんでいた遊び心、ファッションの醍醐味を思い出させてくれる。
ミリタリーのライナーベストをSNACK NGLの『TUGI』に昇華させたアイテム。もちろんインナーとしても使えるが、庄村さんは一張羅のLewis Leathersの上に羽織ったスタイリングを提案してくれた。「身幅と袖周りを結構広く取っているのでコーディネートで遊べるベストなんです。今はLewis Leathersの上に着ていますが、チェスターコートやテック系アウターの上に着ても面白いですよ。冬のコーディネートはアウターの色の単色になりがちなのでアクセントにいいんじゃないですかね。僕のイチオシはTHE NORTH FACEのバルトロです!バルトロの上に重ねている人なんて見たことないじゃ無いですか?もしバルトロ持っていたら試してもらいたいですね」
柄、ブランドともに持つものを選ぶクラッチバッグだが庄村さんには抜群にフィット。特別な思い入れがあるこのバッグは「Alexandosのメンバー全員がお金を出し合って買ってくれた誕生日プレゼントです。かなり難しい柄なんですがメンバーが、サトヤスならきっと似合うだろ、って選んでくれました。その気持ちはすごい嬉しいですね。かなり使い込みましたよ。ここまで使い込んだら傷だなんだ、ってあまり気にしないですけど、最初に傷が入ったときはめちゃくちゃ気にしましたね(笑)。普段は財布、スマホ、タバコ、AirPodsを入れています」。Lewis Leathers 、GUCCIのバッグともにノーメンテナンスなのに状態が良い。ファッションアイテムの寿命を伸ばすのはメンテナンスも方法のひとつだが、普段の扱い方が最も大切な方法なのかもしれない。
ウォレットチェーン、リング、ネックレス、ベルトはCHROME HEARTSのもの。取材当日は片手に集中していたが、両手全て埋まるほどのシルバーアクセを持っている。「シルバーアクセが好きになった理由の一番はヴィジュアル系バンドですね。今も変わってないのですが、中学生の頃からヴィジュアル系バンドが大好きで。今じゃほとんど見なくなりましたけど、昔ってアクセサリー雑誌って色々あったじゃないですか?ああいうのを読み込んでいくとヴィジュアル系バンドの人が出ていて、その人たちがジャラジャラ付けているわけですよ。未だにそれに倣って僕もジャラジャラ付けています」。
―自己紹介と、庄村さんが仲間と運営しているSNACK NGLのことについて聞かせてください
「元々Alexandrosのドラムを担当していました。局所性ジストニア、僕の場合はドラムだけが叩けなくなるという病気を患ってしまい、それを理由にバンドを勇退しました。それまで忙しくしていたので、勇退後はありとあらゆる友人が飲みに連れて行ってくれて…。その中の一人が今やっているプロジェクト、SNACK NGLのメンバーの有本くん(ファッションスタイリスト)でした。元々の友人なので洋服の話は昔からよくしていたんですけど、彼とは洋服の辿ってきた道筋が全然違ったんです。僕はマルイからスタートしてエディ・スリマン台頭の時代をスキニーなスタイリングで謳歌し、30代に入ってストリート、っていう流れなんですけど彼は裏原から入っているのでまるで違う。けど同じ感じで話ができるわけですよ。それって面白いね、ってなって仲間に呼んでくれたのはSNACK NGLの始まりですね」
―そのSNACK NGLですが、どういうブランドなのでしょうか?
「自分たちが40歳に差し掛かった時に、幸い手に職が1つでは無い仲間たちが集まって、その中の1つくらい趣味に全振りしてみようよ!ってずっと好きだった洋服をスーパー不真面目に定義してみよう、このご時世マジメぶったら終わりだよね、って感じでスタートしたブランドです。物づくりに関してはもちろん、真面目にやっていますよ(笑)。チームは4人でやっていますが、デザイナーは明確じゃないです。お酒の場でみんなでイメージを話して、できる人がそれを請け負うって感じですね。コンセプトを固めていないので、それはダメあればダメっていうのは基本的にはありません。全国津々浦々のスナックを間借りしながら期間限定でお店をオープンし、洋服を売っています」
―たくさん洋服をお持ちだと思いますが、どれくらいの量の洋服を持っていますか?そして処分はどのようにしていますか?
「1,2,3…いーっぱい!(笑)。居住空間より広いスペースを衣装部屋にしているくらいです。スタイリングの仕事はほぼ自分の洋服で賄っていけるほど、洋服はたくさん持っていますね。こうなるとさすがに処分しないわけにはいかないので古着屋さんや友人に売ったりはしています。世の中的には断捨離、ミニマリストが持て囃されていますが、物持ちの自分からすると将来的にボケ無いのは物持ちだぞ、って言いたいです(笑)。毎日何を着ていくか、何を使うか考えますからね。ミニマリストには憧れはありますが、こういう考えもあっていいんじゃ無いかとも思います」
―ファッションの情報はどこで手に入れているか?
「今は情報が氾濫しすぎちゃってるので熱心には追っていません。今までの溜め込んだ知識を発展させたりしています。SNACK NGLの他のメンバーから得られる情報の方が今は楽しいですね。SNSよりも自分に近くてリアルな情報が多いので交友関係からの情報が今は一番多いです」
―最後に、洋服やファッションアイテムのメンテナンス方法を教えてください
「正直、こだわったメンテナンスはしていません。メゾンブランドのシャツなんかも自分のジャッジで普通に洗濯機で洗っています。メンテナンスをしようと思うとキリがなくなっちゃうと思うんです。シルバーアクセも同様。普通に使っていく中での経年変化で白茶けていく感じも嫌いじゃないんです。友人まわりではポリッシュしないと気が済まないっていう人もいますけど、この辺は本当に好みだと思います。シルバーアクセ好きの人は帰宅して全部外して、それをメンテナンスしている時が1日をリセットしている瞬間だ、という人もいるくらいですからね。けれど自分はその域まではまだ達していません。何かのきっかけでこだわり始めるかもしれませんけどね」
SATOYASU SHOMURA(庄村聡泰)
福岡県大牟田市出身。元Alexandrosドラマー。2021年のバンド勇退後はライフスタイルの一部であったファッションにも軸足を置き、友人たちとブランド「SNACK NGL」を立ち上げる。元々の生業だった音楽にもライター、ポッドキャストなどで関わり続けるパラレルワーカー。好奇心が人一倍強く、その好奇心で得る莫大な知識量からアウトプットされる話術は、人を魅了するパワーを持つ。
FEATURE
2023.2.14
『90s(ナインティーズ)』。バブル崩壊後の日本に訪れたサブカルチャー成熟の時代は、今も昔も若者が惹かれる魅惑のコンテンツだ。様々なオリジナルが生まれた90sはファッション、とかくストリートファッションと縁深い。90s Dreamではそんな90年代にフィーチャーしたファッションアイテムを紹介する。紹介したアイテムは東京・池尻大橋のWARDROBE TREATMENT(ワードローブトリートメント)に展示しているので、この機会にぜひご覧いただきたい。
Edit by DETZ MATSUDA
Photo by KOTO SATO
Text by HARUYUKI TANIMOTO
GOOD ENOUGH THiS MACHiNE KiLLS FASCiST T-SH
「THiS MACHiNE KiLLS FASCiST(この機械はファシストを死なせる)」フォークソングの父と呼ばれるWoody Guthrieが自らのギターに刻んでいる著名なメッセージだ。WoodyはBob Dylanが敬愛するアーティストのひとりで、反体制派としても知られている。そんな彼のメッセージをUREIのミキサーと共にプリントし、カルチャーをクロスオーバーさせるセンスには流石にシビれる。デザインギミックが秀逸な1枚だ。
m&m STAR T-SH
村上俊実が主宰する内装集団“M&M CUSTOM PERFORMANCE”。裏原を代表するショップ『NOWHERE』をはじめ、名だたるストリートブランドショップ、カフェなどの内装、家具デザインを手掛けている。このTシャツはアパレルライン“m&m”のもの。UNRIVALEDとのコラボレーションモデルなどは巷で出回っているが、READYMADEで販売されたこのTシャツはオリジナルの限定販売。滅多にお目にかかれない代物だ。
GOOD ENOUGH END RACISM 1991 T-SH
GOOD ENOUGHの象徴的なデザインのひとつと数えられるEND RACISM Tシャツ。近年ではInfinite Archivesとのコラボレーションで復刻されている。ディレクターの藤原ヒロシが海外で目の当たりにした警察の不当な行いがデザインソースになっている。ストレートに表現されていることからメッセージ性が強烈で、他のデザインと比較してもインパクトは群を抜く。発売から30年たった今でも無くならない、人類永遠のテーマだ。
ELECTRIC COTTAGE Shawn Stussy T-SH
Fragment Designの前身ブランドである“ELECTRIC COTTAGE”。ブランド設立前に藤原ヒロシが構えていた事務所はMacやターンテーブルなどのDJ機材など、当時としてはハイテクな機材に溢れていた。その事務所に来て中の様子を見たShawn Stussyが放った言葉が「ELECTRIC COTTAGE」。そのままブランド名に採用するところがまた、粋だ。象徴的なショーンフォントが使われていることからも両人の親交の深さが窺い知れる。
GOOD ENOUGH K2 SEXY DYNAMITE TOUR Staff T-SH
藤原ヒロシがプロデュースを務めていた伝説のアイドル、小泉今日子が1991年に回っていたSEXY DYNAMITE TOUR のスタッフTシャツ。もちろん非売品だ。当時、スタッフは多くいたのだろうがその割には現在でも球数はほとんど無く、滅多に市場に出回らない激レアものだ。裏原フリークやGOOD ENOUGHラバーはもちろんだが、キョンキョンファンも喉から手が出るほど欲しいことだろう。是非ともWORDROBE TREATMENTでご覧いただきたい。
WARDROBE TREATMENT
https://aobadai.wardrobetreatment.jp/
究極のオーダーメイドクリーニングを実現するコンシェルジュストア。ワードローブトリートメントの旗艦店として目黒区青葉台に2018年4月にオープン。お客様がお持ちのアイテムへの愛着度を理解して、より最適な復元の提案ができるように洋服メンテナンスを熟知したコンシェルジュが直接お話を聞きながらカウンセリングを行うクリーニングストア。お客さまのお洋服1点1点のコンディションに合わせてオリジナルの洗浄工程を提案。日本随一を誇る特殊しみ抜き、それをささえる補色技術が好評を得ていることはもちろん60年以上の歴史を誇るプレスワーク、レザーアイテムのリペアなど各分野のスペシャリストが各工程を担当します。ワードローブトリートメントの洋服メンテナンスのこだわりを是非店頭で体現してください。
FEATURE
2022.12.26
『90s(ナインティーズ)』。バブル崩壊後の日本に訪れたサブカルチャー成熟の時代は、今も昔も若者が惹かれる魅惑のコンテンツだ。様々なオリジナルが生まれた90sはファッション、とかくストリートファッションと縁深い。90s Dreamではそんな90年代にフィーチャーしたファッションアイテムを紹介する。紹介したアイテムは東京・池尻大橋のWARDROBE TREATMENT(ワードローブトリートメント)に展示しているので、この機会にぜひご覧いただきたい。
Edit by DETZ MATSUDA
Photo by KOTO SATO
Text by HARUYUKI TANIMOTO
GOOD ENOUGH Robert Indiana HOMMAGE T-SH
胸にプリントされた「GDEH」は、現代美術家・Robert Indianaが手がけた「LOVE」のオマージュモチーフ。2016年にMEDICOM TOYとのコラボレーションで復刻した「GDEH」ペーパーウェイトが記憶に新しいが、同モチーフのプリントTシャツは中古市場でもほとんど流通していないプレミアだ。ボディはHanesのBEEFY-Tで、初期のGOOD ENOUGHを象徴する織りネームが付属している。
KEITH HARING Skatebord T-SH
1986年、Keith Haringのグッズを販売する店舗『Pop Shop』がニューヨークにオープンした。その後、東京・青山にもPop Shopはオープンするのだが、このTシャツは1990年前後にニューヨークで発売されていたものだ。胸にプリントされているイラストはNew York City Skatebords,Inc.の依頼で描かれたスケートデザイン。このイラストがプリントされたデッキも実際に販売されていた。ちなみに、山梨の中村キース・ヘリング美術館では再現されたPop Shopを体験できる。
GOOD ENOUGH Record T-SH
GOOD ENOUGHのTシャツを色々と紹介してきたが、これは最も初期となるプリントTシャツ。当時はMacの普及がまだ進んでいない時代。PCに頼ることができず、Skate Thingが手作業の版下作りから制作したという、今では考えられない制作過程を経たアイテムだ。初期アイテムの象徴でもある五線譜ロゴが首後ろに、初期仕様の織りネームが左袖に配されている。所有者がかなり少なく、希少価値が高い逸品だ。
NIKE Jordan Jumpman T-SH
NIKEがMichael Jordanの才能に惚れ、初代エア・ジョーダンが発売されたのが1984年。その後、ジョーダン人気が海を渡り、日本に伝播して熱を帯びる90年代初頭より少し前に発売されていたのがこのJumpman Tシャツだ。NYで発売され、ショーツとのセットになっていたというこのTシャツはかなり珍しいJumpman単独のプリント。大抵は”JORDAN”や”AIR”の文字と共にプリントされているので、この単独プリントがどれほど珍しいかわかるだろう。
GOOD ENOUGH GDEH HEINOUSLY T-SH
1994年に発売されたSkate ThingイラストのTシャツ。復刻されるほどの人気を誇るが、復刻モデルとはデザインが異なるオリジナルパターンがこれだ。バックプリントの一部に「75」という数字が出てくるが、これはGOOD ENOUGHでよく使われている番号。アルファベット順で『G』が7番目、『E』が5番目なので、75は”G”OOD “E”NOUGHを指す。当時のファッション、アート、カルチャーではアメリカナイズドのものが多く、このイラストもFBIモチーフになっている。
WARDROBE TREATMENT
https://aobadai.wardrobetreatment.jp/
究極のオーダーメイドクリーニングを実現するコンシェルジュストア。ワードローブトリートメントの旗艦店として目黒区青葉台に2018年4月にオープン。お客様がお持ちのアイテムへの愛着度を理解して、より最適な復元の提案ができるように洋服メンテナンスを熟知したコンシェルジュが直接お話を聞きながらカウンセリングを行うクリーニングストア。お客さまのお洋服1点1点のコンディションに合わせてオリジナルの洗浄工程を提案。日本随一を誇る特殊しみ抜き、それをささえる補色技術が好評を得ていることはもちろん60年以上の歴史を誇るプレスワーク、レザーアイテムのリペアなど各分野のスペシャリストが各工程を担当します。ワードローブトリートメントの洋服メンテナンスのこだわりを是非店頭で体現してください。
FEATURE
2022.11.4
『90s(ナインティーズ)』。バブル崩壊後の日本に訪れたサブカルチャー成熟の時代は、今も昔も若者が惹かれる魅惑のコンテンツだ。様々なオリジナルが生まれた90sはファッション、とかくストリートファッションと縁深い。90s Dreamではそんな90年代にフィーチャーしたファッションアイテムを紹介する。紹介したアイテムは東京・池尻大橋のWARDROBE TREATMENT(ワードローブトリートメント)に展示しているので、この機会にぜひご覧いただきたい。
Edit by DETZ MATSUDA
Photo by KOTO SATO
Text by HARUYUKI TANIMOTO
GOOD ENOUGH Circle G T-SH
ブランドの活動が終わっても人気が衰えず、むしろプレミアが付き入手困難になっている元祖裏原系ブランド・GOOD ENOUGH。首元のネームを見ると、ブランドタグの後ろにMADE IN U.S.A.のHanesタグが。そう、これは初期モデルの証。ブランドスタート当初はHanesのボディを使用したショートスリーブ、ロングスリーブのサークルロゴTシャツがリリースされている。背中のSKATE THINGのハンドイラストは2022年の今になっても色褪せない。
NIKE MICHAEL JORDAN×SPIKE LEE
Do you know T-SH
1991年にSpike Leeが手がけたエアジョーダンのCM。白黒の画作りとブラウン管を彷彿とさせるSEがレトロと呼ぶにふさわしいCMだが、このTシャツはそのSpike Leeとアメリカ航空宇宙研究所の教授とのやりとりがプリントされている。バックプリントの内容はその2人がJordanを見上げていることから、想像に難く無いだろう。1990年前後にLAのナイキタウンで販売されていたエアジョーダンのこのTシャツはフリーク垂涎の逸品だ。
A BATHING APE Beethoven T-SH
先日、BAPEから復刻モデルが発売されたので見たことがある人も多いかもしれない。発売当初から人気があったことの裏付けなのだが、これは独特なボディカラーのオリジナル。前述のGOOD ENOUGH同様、このTシャツも他社製ボディが使われている。U.S.A.メイドのボディにMade In JapanのBAPE 2代目タグがついているのはご愛嬌。実はコレ、マンガ「ピーナッツ」に登場するベートベンを崇拝するキャラクター・シュローダーをオマージュしている。
A BATHING APE APE SHALL NEVER KILL APE T-SH
胸に刻まれている「APE SHALL NEVER KILL APE」が首元の初代タグにも刺繍されている。ところでこのワード、猿の惑星が元ネタなのはご存知だろうか。NIGO®︎が猿の惑星に着想を得てスタートしたのがA BATHING APEなのだが、このセリフをモチーフにしたものがいくつかリリースされていることからBAPEにとって重要なワードであることを物語っている。刺繍にTINY PUNKSのTシャツの技法を用いていることも味わい深い。
BRUCE WEBER let’s get lost T-SH
ドラッグに溺れながらも復活を果たした後、原因不明の転落で人生の幕を下ろしたジャズミュージシャンでシンガーのチェットベイカー。彼の自伝的映画「Let’s Get Lost」はアカデミー賞にノミネートされるほどに。この映画の監督をしたのがそう、ブルースウェーバーだ。現在、様々なブランドで彼の作品のTシャツがリリースされているが、これはオリジナル。今や手に触れることさえ難しいTシャツをぜひWARDROBE TREATMENTで直に感じてもらいたい。
WARDROBE TREATMENT
https://aobadai.wardrobetreatment.jp/
究極のオーダーメイドクリーニングを実現するコンシェルジュストア。ワードローブトリートメントの旗艦店として目黒区青葉台に2018年4月にオープン。お客様がお持ちのアイテムへの愛着度を理解して、より最適な復元の提案ができるように洋服メンテナンスを熟知したコンシェルジュが直接お話を聞きながらカウンセリングを行うクリーニングストア。お客さまのお洋服1点1点のコンディションに合わせてオリジナルの洗浄工程を提案。日本随一を誇る特殊しみ抜き、それをささえる補色技術が好評を得ていることはもちろん60年以上の歴史を誇るプレスワーク、レザーアイテムのリペアなど各分野のスペシャリストが各工程を担当します。ワードローブトリートメントの洋服メンテナンスのこだわりを是非店頭で体現してください。
街履きにも、もちろんスケートにも。『CHALLENGER × NB Numeric 440』がリリース!
世田谷・奥沢より異彩を放つショップ VIVA STRANGE BOUTIQUE
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