FEATURE

2021.5.15

世田谷・奥沢より異彩を放つショップ
VIVA STRANGE BOUTIQUE

2019年4月、世田谷区の奥沢に誕生した「VIVA STRANGE BOUTIQUE」。1970年代後半から80年代前半のポストパンク、ニューウェイブをテーマにしたこのお店のラインナップからは、かつて原宿にあったロック系ファッションショップ、赤富士やSMASHと同じ匂いを嗅ぎとれる。70-80年代に活躍したミュージシャンやレーベルとのコラボレーションから生まれたウエアや当時の雑誌やレコードというマニアックで稀有なセレクションながら、アーティストや業界インフルエンサーからも注目を集める。この個性的なショップをオーナーの山口美波さんの声で紹介しよう。

Text by Detz Matsuda
Photo by Yoshimi Seida

 

「生まれてから18歳まで鹿児島で育ちました。おそらく一番最初に洋楽が好きかも、と自分で感じたのは小学生4年生か5年生の時だと思います。スウェーデンのバンドでカーディガンズっていたじゃないですか。彼らをテレビで観ていいなあと思って。その当時に通っていた塾の先生にカーディガンズが良いって思っていることを話したら『じゃあ、こういうのも好きかもよ』っていろいろと教えてもらいました。 一番最初に先生が貸してくれたCDがグラスゴーのベル・アンド・セバスチャン。そこからいろいろと洋楽を聴くようになって、当初はパステルズやプライマルスクリームなどスコットランドのギターポップやネオアコと呼ばれるようなものから聴き始め、そこからだんだんとイギリスの音楽にのめり込んでいきました。ちなみに、ニューウェーブにハマったきっかけは、高校生の時に鹿児島のレコード屋さんで見つけたディスヒート(THIS HEAT)を聴いてからです」

「19歳で上京して、22歳の時にサザビーリーグが運営していた『バリバレ』というファッションブランドに就職しました。デザイナーはフランス人の女性だったのですが、すごくロックやパンクが好きな方で店内やフィッティングルームにもラモーンズをはじめとするミュージシャンの切り抜きが貼ってありました。お洋服もすごくかっこ良かったのですが、あまり一般の方にうける感じじゃなくて、残念ながら日本から撤退しちゃったんですね。大好きなブランドだったのですが、その時に、いくら大切で大事なものでも結局は自分の作ったものではなく、他の人の作ったものだから、簡単に自分の手から無くなってしまうんだな、と強烈に感じたのを今でも覚えています。誰にも奪われないものを作るには、自分で何かを作るしかないんだと」

「バリバレを辞めてからマッキントッシュとギターを買って、音楽を始めました。SHE TALKS SILENCEという名義で、マイスペースに自分で作った音楽をアップしたら、 いくつかのレーベルから声をかけていただいて、最初に7インチのシングルを出して2枚目はCD、3枚目はアナログ12インチです。テイ・トウワさんの事務所にお世話になっていた時期もあって、テイさんとスプリットの7インチも作りました。今でもSpotifyとかで聴けるので良かったら聴いてみてください(笑)」

「自分自身が好きなバンドのTシャツって、気に入るデザインのものがなかなか売っていなかったんですね。それで、自主制作で作って着ていたら、周りの音楽好きな友人たちに『どこで買ったの?』ってよく聞かれて、その人たちのためにも作ってあげたりしていました。そういうことをやっているうちに『これってもしかしたら、(世間から)求められているのかもしれない』と思って。でも、仕事にするのならば、キチンとオフィシャルで作らないといけないなと思って、このお店を始めました。私が聴いてきた音楽を作った方々に少しでも恩返しが出来ると一番良いな、と。良いものを作って販売して、ちゃんとロイヤリティーをバンドやレーベルの方に還元できると良いなと思って」

「一番最初にコラボレーションしたのは、モノクロームセット(The Monochrome Set)でした。彼らのファーストアルバム『Strange Boutique』は、このお店の名前の由来でもありますし、やはり最初は、彼らで作りたいなと思って。その次は、クリス・アンド・コージー(Chris and Cosey)。その後は、ザ・ドゥルッティ・コラム(The Durutti Column)やCANとかテレヴィジョン・パーソナリティーズ(Television Personalities)など。最近ですとプラスチックス(Plastics)ですね。そして、最新作は、先月発売されたヤング・マーブル・ジャイアンツ(Young Marble Giants)です。これはサンプルが完成した時にリーダーのスチュアートに見せたら、すごく喜んでくれました。『当時の自分のリトル・アイデアがこんな風にリプロダクトされるのはエモいな!』って言ってくれました。彼らもそうだけど、当時アパレルを作っていたバンドって少なかったので、そういう意味ではVIVAのコラボレーションはやりがいのある仕事ですね」

「現在はコロナ禍というのもあり、一時的にクローズしているのですが、ショップのB1はギャラリーとしても利用していて、以前はビデオアーティストで、ポストパンク〜ニューウェイブ時代のライブをロンドンで数多く体験してる羽田明子さんの個展も開催しました。このギャラリーでも今後また何かやりたいですし、将来的には、ライブイベントもやりたいですね。コラボしたバンドをいくつか招聘して、All Tomorrow’s Partiesみたいな音楽フェスができれば最高です」

左から、Tシャツ 7,480円、ロングスリーブTシャツ(イエロー) 9,900円、ロングスリーブTシャツ(白) 9,900円、
バッジ付きブルゾン 25,300円

最新のコラボレーションになるヤング・マーブル・ジャイアンツ(Young Marble Giants)のアイテム。ヤング・マーブル・ジャイアンツは、1980年にアルバム「COLOSSAL YOUTH」で英国の名門レーベル、ラフ・トレードよりデビュー。アルバムはこの1枚のみだが、本国はもちろん日本にも熱烈なファンは多い。

左から、MA-1ジャケット 28,600円、スウェットパーカ 15,400円、ロングスリーブTシャツ 9,900円

クラウトロックの雄、CANは、日本人ボーカリストのダモ鈴木が在籍したことでもよく知られる。後のパンク、ニューウェイブにも多大な影響を与えた。

左から、バッジ付きのソックス 各3,300円、バッジ付きのワークシャツ 15,400円、スウェットシャツ 11,000円

テクノポップを代表するバンド、プラスチックス(PLASTICS)。約40年の時を経て、立花ハジメ氏によるロゴやアルバムのグラフィックがアパレルに再現された。

左から、スウェットシャツ 11,000円、ロングスリーブTシャツ 9,900円、バッジ付きモッズコート 29,700円

鬼才ダン・トレーシー率いるテレヴィジョン・パーソナリティーズ(Television Personalities)とのコラボレーション。ファーストアルバム「. . . And Don’t The Kids Just Love It」のグラフィックがバックプリントされたモッズコートが印象的。

左から、ロングスリーブTシャツ 8,580円、ブルゾン 18,700円、Tシャツ 7,920円

マンチェスターのギタリスト、ヴィニ・ライリー率いるザ・ドゥルッティ・コラム(The Durutti Column)。その水彩画のように美しいメロディーに虜にされた方もファンも多い。

左から、ワークシャツ 12,100円、ロゴ刺繍のカーディガン 13,200円、クッションカバー 5,500円

ノー・ウェイブを代表するバンド、DNA。日本でもカルト的な人気を誇るアーティスティックなバンドとのコラボレーション。

左から、バッジ付きトートバッグ 3,850円、VIVA × MUTE RECORDSのトートバッグ 3,740円、
YOUNG MARBLE GIANTSのトートバッグ 3,520円、The Durutti Columnのトートバッグ 3,300円

パーカ 17,600円、Tシャツともに、7,480円

VIVA STARANGE BOUTIQUEのオープン2周年記念として発売されるフーデッド・パーカとTシャツ。2年目にコラボレーションしたアーティストのプリントがデザインされた逸品。

<VIVA STARANGE BOUTIQUE>
東京都世田谷区奥沢5-1-4
営業時間
木曜、金曜 15:00 – 20:00
土曜、日曜、祝日 14:00 – 19:00
月曜 – 水曜 休
www.vivastrangeboutique.com

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